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『あの人と僕の30分』

月に1回お宅へお邪魔し、散髪をさせてもらっているおじいちゃんがいる。


独り身で古アパートに住むそのおじいちゃんは、あまり多くを語らず僕との会話も必要最低限。


僕「今日はどうしましょ?寒くもなってきたので少し長めにしときます??」

おじいちゃん「いつもと一緒でいい。」

僕「そうですか。ではいつも通りにしときますね!」


カット中はお互い無言で、ただハサミを動かすだけ。


カットが終わってからも特に事務的な会話でお宅を後にする。


でも何故かそのおじいちゃんと過ごす30分が僕には心地良かった。


頑固で会話もロクにしてもらえないのに、その人の散髪がすごく楽しみだった。




そしていつも通りお宅へ行くと鍵がかかっている。


電話をしてもコールが鳴るだけだ…。


「予定を忘れてディサービスにでも行かれてるんだろうな。」


ぐらいにしか思っていなかったが



後日電話すると



「お客様がおかけになった電話番号は現在使われておりません。」



一瞬訳がわからなかったが亡くなられたんだなと悟る。



そのおじいちゃんにできる事と言えば散髪ぐらいしかなかったけど、月1回散髪していたから棺に入ったおじいちゃんはすごく綺麗な髪型で天国にいけたんじゃないかな。


人生最期の散髪を任せてもらってありがとうごさいます。


またいつかあなたを散髪しに伺いますよ!





その時はもっともっとお話して下さいね☆



今まで本当にありがとうございました。

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